受刑者を対象としたVR社会復帰プログラム「Virtual Rehab」アメリカで試験運用開始

海外メディアMediumは、2017年2月11日、VR社会復帰プログラム「Virtual Rehab」を紹介した。

刑務所研究国際センター(nternational Center for Prison Studies)によれば、現在、全世界には1,050万人の受刑者がいる。そして、そのうちの実に約20%にあたる220万人がアメリカで収監されている(ちなみに日本法務省発表の統計によれば、2016年11月時点の国内の受刑者数は約56,000人)。

また、法務統計事務所(the Bureau of Justice Statistics)発表の統計によれば、アメリカにおける出所者の77%が5年以内に再逮捕されている。

こうした深刻な問題を解決すべく始められた試みが「Virtual Rehab」プログラムだ。同プログラムは、VRコンテンツを活用して受刑者の社会復帰をサポートする、というもの。具体的には、VRコンテンツを通して出所後の日常生活をバーチャル体験したり、職業訓練を行うのだ。

同プログラムの開発を率いたRaji Wahidyは、以下のようなコメントをしている。

「Virtual Rehabは、現在収監中の受刑者たちに秩序をもたらす方法に関してイノベーションを起こすことだけではなく、彼らが社会に復帰した時に、グローバルなコミュニティーに対する道徳的な敬意を持てるようにすることが目的なのです」

なお、同プログラムは昨年12月から試験運用が始まり、今年3月からより大きな規模での運用が試される。

この「Virtual Rehab」は、VRテクノロジーが行政に応用された事例と言えよう。職業訓練にVRコンテンツを活用するというアイデアは、受刑者の社会復帰に限らず、雇用問題全般に応用できるはずである。日本でも、行政におけるVR活用事例が現れることを期待したい。

 

Source:

VRInside

By |2017-02-15T02:14:32-04:00February 15th, 2017|Media|0 Comments

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